NFL2つの新たなルールを今週末のプロボウルで試すみたいですね。

 

まず1つ目は「Aチームがフィールドゴール成功またはPATのプレーが終了した後において、Aチームは下記2つの選択肢を与えられる」というものになります。

   Ⅰ)Bチームボールで自陣25ヤード地点から1&10で再開
      Ⅱ)Aチームボールで自陣25ヤード地点から4&15で再開

Ⅰ)はこれまでプロボウルで採用されてきたルールで、脳震とうなどのリスクが高いキックオフを廃止するためのルールです。これにより、キックオフを廃止する際に重要となる「得点を決めたチームが再度オフェンスの機会を得るチャンス」(=通常のルールではオンサイドキックに当たる)を従来のプロボウルのルールでは得ることが出来ませんでした。

しかし本ルールⅡ)の追加によって4&15からファーストダウン更新を狙うことでオフェンスを続けるチャンスが得られることになります。


続いて2つ目は少しややこしいのですが、「2ポイントスタンスでセットしているレシーバーがスナップ前に片足を動かしてしまっても、もう片方の足の一部が地面につき続けており、かつ再度セットしなおしスナップ前に1秒以上静止した場合はフォルススタートを取らない」というものです。たまにレシーバーが少しピクッと動いてしまってそれに対してCBが動いた動いた!とアピールしているやつですね。

上記動画内一番手前のWRのような動きですね。もし彼が1秒以上スナップ前に静止していればフォルススタートは取られないことになります(動画内のWRもフォルススタートを取られていませんがこれは本来フォルススタートを取られる可能性のあるプレーです)。

元々、2005年シーズンの終わりに各チームのオーナーからレシーバーなどがピクッと動いた程度ではプレーのスタートには影響がないだろうと指摘があり、それを受けNFL競技委員会側もレシーバー陣のフォルススタートはあまり取らないようにしていたという経緯があるようです(Wikipedia情報なので真偽のほどは知りません)。今回のルールはそれを明文化しようというものですね。

レシーバーのこの動きはモーションと捉えられず、イリーガルシフトを避けるために1秒以上の静止が求められるようです(つまり上記動画内のWRの動きはモーションではないためフォルススタートに加えイリーガルシフトが取られる可能性もありました)。

2つ目は大した影響はありませんが、1つ目についてはもし通常の試合にも適用されることとなれば大きなルール変更となります。

オンサイドキックはアメフトの大きな魅力の一つだと思っていましたが、2018年のキックオフ時のルール変更(=セット位置の限定)によってオンサイドキックの成功率は大きく減少しており(オンサイドキック成功率: 2017シーズン21%2018シーズン6%)、その存在意義が曖昧になりつつありました。なので、セット位置の限定が恒久的に適用されることとなった今となってはオンサイドキックよりも4&15からの再開の方が面白いかもしれません。

初めてアメフトを観た第44回スーパーボウルでセインツが後半最初のキックオフでオンサイドキックを決めたときはテレビ中継の実況の盛り上がりようから「なんだかすごいプレーが決まったんだ!」とルールも知らずに興奮していましたがそれも見られなくなる可能性があると寂しい気がしますが、新ルールに慣れればそれはそれで盛り上がれるようになるんでしょうかね。

 

■引用元

NFL プロボウルにおける新ルール: https://operations.nfl.com/updates/the-rules/two-new-rules-to-be-tested-at-pro-bowl/

 ・オンサイドキック成功率の変化: https://profootballtalk.nbcsports.com/2019/11/03/onside-kick-success-dropped-from-21-percent-to-6-percent-after-new-rule/